シェアリング・ロジスティクスについて
国内では、物流危機を受けて、すでに食品数社やビバレッジ数社で大きな共同配送の取り組みを進めています。一方で、元来が別会社であり、それぞれの異なる仕組みで物流を運営してきたことから、今後はシェアリング・ロジスティクスをさらに効率よく推進するに当たって、ネットワーク診断や新たに統合化されたオーダーフルフィルメントシステムや、コストシェアルールやKPIが必要です。
シェアリング・ロジスティクスにブロックチェーン技術が有用である代表例として、EYでは、Insurwaveという海上保険の共同システムを開発・運用しています。世界各国の港での貨物の船積み・陸揚げに付帯する海上保険のデータ交換のデジタル化によって、通関などの事務処理の効率化を実現しています。
高度ロジスティクス人材の必要性
ロジスティクスにおけるデジタル・トランスフォーメーションは、省人化や自動化のためのテクノロジーの採用や、IoT装置からのデータ取得と活用など、これまでと違ってテクノロジーに関する知見も必要です。それとともに 、自社ビジネスの理解からくる物流戦略の企画策定や、それに応じたネットワーク・デザインの検討、デジタル化に関する投資戦略などのノウハウも求められます。一方で、欧米ではCLO職(chief logistics officer)が当たり前のように存在し、広義にわたる業務に対応するための組織によるロジスティクスの経営と運営 をリードしています。